Astroneer / アストロニア 探査日誌 01009 『シェルター』
探査日誌 01009.1
基地に帰投する。巨大宇宙機で発見した座席モジュールは、車体が無ければ無用の長物だ。基地を拡張し、車両を製作する装置を作る必要がある。また野ざらしにしてきた各種物資も、ダストストームに吹き飛ばされないようにしなければならない。チタンのような貴重な物資は基地のソケットに直付けしておくが、量が必要となる資源は外で保存する方法を考える必要がある。
探査日誌01009.2
基地拡張のため、周辺の土地を平らに均していく。平地でなくても拡張モジュールは設置できるのだが、起伏があり礫岩だらけの土地ではちょっとした移動も手間がかかる。なにより気分の問題だ。時間を忘れて作業に没頭する。
造成した平面は、惑星の曲率に沿っているのだろうか。延伸すればするほど、もとの地表との段差が増すようなので、真の平面なのではないだろうか?
だとすると、この作業を続けると正面の山体の上部に到達するスロープができることになるし、理論的にはこのまま大気圏外に出ることも可能だ。
ただ、この惑星(というかこの宇宙)の物理法則が、それを許すかどうかは分からない。どれほどの質量を支えなしに空中に固定できるのだろうか? 確かめるには、やってみるしかない。
もうひとつ。仮にこのマシンの平面化機能のみで惑星を造成するのなら、その究極の姿は、球状ではなく、サイコロ型の天体になるだろう。大雑把に考えれば、各面の中心で大気が最も濃く、そこから四方を眺めると45度の勾配の巨大なピラミッドが4つそびえ、その頂点では大気はゼロになっているはずだ。
探査日誌01009.3
造成工事中、再びサンドストームに襲われた。急遽物資ごと自分の足元を掘削して、シェルターにする。良い策だと思ったのだが、嵐が去ってからハンドパワーで物質を出そうとすると、引っかかってうまく出せない。穴を埋め戻すと物資まで埋まってしまう。大失敗だ。
探査日誌01009.4
資材シェルターとしてかまくらを作成した。土地を盛り上げ、ふだんストームが来る方向が背になるよう中をくり抜き、誤って貫通したら埋め戻す。マシンの繊細な使い方ができず、こんなものでも非常に苦労した。これでも礫片は入ってくるが、風は一応防げているようだ。いまは美的感覚より、実用性を優先させなければならない。
Astroneer / アストロニア 探査日誌 01008 『巨大宇宙機』
探査日誌 01008.1
宇宙機に接近、発掘にとりかかる。今まで発見した人工物にくらべ桁違いに大きいため、遠近感が狂う。
周囲にはいくつかの破片が埋まっており、トラスやソーラーパネルのようなものに交じって、回収可能なコンテナボックス型の不明人工物もあった。現状で回収できない破片も、いつか回収・再利用できるようになるのだろうか?
探査日誌 01008.2
昼夜を通して掘削作業を続けるが、まだ宇宙機の全体が見えてこない。機体周囲を掘るだけでは全体が観察できず、また接近して観察するためにもなだらかなスロープが必要なため、掘削範囲とその体積は非常に大きいものになる。機体上部に姿勢制御スラスターが見える。
探査日誌 01008.3
ほぼ全容が確認できた。機体の天辺はフラットな形状。円筒型カーゴモジュールに推進器をつけただけの実用本位なデザインに見える。あるいは前半部分は墜落でひしゃげたのかもしれない。カーゴは半分がぱっくりと割れていたが、中央の主柱は健在のようだ。柱に沿って多数の物資が確認できた。
探査日誌01008.4
カーゴからはチタンなど貴重な物資が8つほど見つかった。また、なぜかビークルの運転モジュールも見つかった。
ところがこのタイミングで、突如サンドストームに襲われた。慌てて宇宙機の下に退避したが、地表に置いてきた小型物資は全て吹き飛ばされていた。これは痛恨のミスだ。残されたのは周辺で発掘された大型の不明コンテナと、運転席モジュールのみ。残念だ。
Astroneer / アストロニア 探査日誌 01007 『ブリッジ』
探査日誌 01007.1
基地東方に巨大なカボチャ状の物体を発見。途中に大きな谷があり、落ちると脱出が難しそうなため橋を造成する。掘削マシンの機能を切り替えれば土を吹き付けたり均したりできることは知っていたが、マニュアルを誤読しており操作方法に気付くまで時間がかかった。
谷の終端部のほうに遠回りすることもできるし、もちろん一度落ちてから足元の土を盛り上げ脱出することもできる。ただそちらのほうが面倒だし、今後の往復を考えると橋の構築が合理的だ。大規模造成の実地訓練にもなる。
探査日誌 01007.2
崖の端の、なるべく向こう側の地面と平行になっている部分にターゲットマーカーを合わせ、そこから土地を延伸させていく。慎重な作業が求められる。
それでも多少上り勾配になっていたようで、橋の終端向こう側の地面とは身長1つ分程度の差がついてしまった。ここから橋を少し掘削し、下りのスロープを作る。ここが一番の難所となった。
探査日誌 10007.2
近づいてみれば物体はそれほど大きくなく、今までと同じ地下に球根を抱えた異星生物だった。一方、ここまで来て地平線上に更に巨大な影を発見した。直線と鋭角が見て取れ、人工物である可能性が高い。
探査日誌 10007.3
日が昇り、細部が見えてきた。これは大物だ! 上部の大きな逆釣鐘型の構造は、化学ロケットか何らかの反動推進機関のようだ。墜落し逆さまに埋まった宇宙船か。地表付近で赤い光の明滅が見える。システムが生きているのかもしれない。詳細な調査が必要だ。
Astroneer / アストロニア 探査日誌 01006 『死体』
探査日誌 01006.1
基地の北側にある山地の探査に向かう。紫の朝もやに霞む峰は神々しくも感じられ、早く近づきたい、できることならその白い頂にたどり着きたいという想いは、着陸当初からあった。一度はその方向にテザーを伸ばしていったが、途中で資源が切れ断念していた。
今回改めて接近すると山体は切り立っており、また中腹に巨大な空洞がある複雑な地形であることが分かってきた。惑星の大きさが把握できていないため地平線までの距離感が掴めず、山には意外と早く到達した。麓から見ると、山はほぼ絶壁だ。
探査日誌 01006.2
手持ちのテザーが少ないため登山は断念し、山の基部に発見した別の大空洞に入った。入り口と考えていた部分は、実際は山塊がアーチ状になったもので、そこをくぐると再び空が見える。
すでに夜になっており、ソーラー発電ユニットも効かない。障害となる土砂を除去しながら奥まで進入するとエネルギーはすぐに切れ、スーツ備え付けのサーチライトも消えてしまう。光源であるテザーの範囲を出ると、周囲は真っ暗になってしまう。星の帯も、方角が悪くそれも見えない。重なり合う闇に、山頂の雪が薄っすらと見えるだけだ。
探査日誌 01006.3
アーチを超えた中庭の奥には、本格的な長い空洞があった。すでにテザーは尽きているので、様子見的に、少しだけ入ってみることにした。洞窟の奥から来るのだろうか、低い風音が反響している。
その入り口付近で、黄色い小型の生物種を発見。小型とはいえ身長の倍程度だ。ショウガの根のようなゆがんだ形状で、大きな赤い斑がいくつかある。警告色だろうか? 異質な生命であることには間違いない。
念のため少し離れて根元を掘削すると、爆発しガスを出した。初めてのタイプだ。ガスクロマトグラファーなどありもせず、緑色のガスの成分は分からない。致死性かどうかを確かめるには、実際に浴びてみるしかないだろう。
爆散した跡には、球根と、別のものが埋まっていた。
探査日誌 01006.4
出土した小さく白い物体はハンドパワーで持ち上げることができなかったため、接近して観測する。死体だった。過去の自分がここで死んだ記憶はないし、スーツの色が異なる。別の探査員だ!
死体のバックパックから、水タンクと、製造方法を知らないダイナマイトを回収した。死体は放置し、基地に戻る。どこかに生きた探査員もいるのだろうか?
Astroneer / アストロニア 探査日誌 01005 『球根』
探査日誌 01005.1
西方向にテザーを伸ばし地表探査を続ける。遠地点に傾いた塔のような物体が見えていたが、近づいてみると人工物ではなく、有機物であることが分かった。植物とも動物とも知れないし、危険性も判断できない。ただできることは、マシンで根元を掘ることだ。
探査日誌 01005.2
大型塔状生物の周囲を掘削する。予想に反して深い根は見られなかった。しかしその根元に「未知」と示される球根のような物体が見つかった。形状としては生物というより岩石に近いので、むしろこの生物の成長基盤になのかもしれない。基地の拡張モジュールに「研究」モジュールがあったが、それで調査できるだろう。
探査日誌 01005.3
巨大な球根はハンドパワー(便宜上そう呼んでいる)で浮かせて持って帰ることができる。ただ歩調が非常に緩慢になるので、基地への帰還に時間を要した。途中、夕焼けを見る。惑星の大きさが地球より小さく、比例して大気の厚さもないためか、恒星の光を侵すほどの波長の変化はない。だが、周囲の空は赤身を帯びたすみれ色に変わっていく。ここではたと気づいた。この惑星では太陽は西から出て東に沈む。
Astroneer / アストロニア 探査日誌 01004 『ダストストーム』
探査日誌 01004.1
基地から少し離れた地点でダストストームに巻き込まれた。風で動けなくなったところを飛んできた礫岩が当たり、死亡した。即座に着陸カプセルの中の「新しい自分」に視点が移ったが、ここで不用意に外に出たため、既に基地に到達していたストームに再度巻き込まれた。ヘルメットに礫岩が直撃し、ほぼ即死だった。
探査日誌 01004.2
2度目の死亡帰還後、嵐が収まるのを待ち外に出ると、自分の死体があった。バックパックの物資は消えていた。なぜ死ぬと新しい自分に切り替わるのだろう。考えてみればヘルメットは不透過で、自分が生身の人間かは確認できない。
残念ながら、自分の置かれた状況では深く追求することはできない。探査を続ける。物資は最初の死亡地点に落ちていた。
探査日誌 補足
ゲーム内で自機が死んで復活する地点のことを、リスポーン地点というそうだ。一瞬何のことかわからなかったが、Re-spawn だ。Spawnは英語のネイティブスピーカーではない自分はあまり会話で使ったことのない単語で、高等生物以外の生物や、抽象的概念が「生まれる」といった意味で使われると認識している。アメコミのキャラクターでもあった。辞書を引くとRespawnという単語じたい、「ゲームの俗語」として載っていた。最近のゲーム用語はとんと分からない。
考えてみればプレイングキャラクターを「自機」と呼ぶのも、今はしないんだろうな。
Astroneer / アストロニア 探査日誌 01003 『精錬所』
探査日誌 01003.1
発掘資源であるレジン(樹脂)はバックパックの装置でツールに変換することができなかったが、着陸カプセルのインターフェイスに接続することで新しい設備のプラットフォームになることが分かった。
プラットフォームにはいくつかの拡張モジュールがプリセットされている。構築には現在収集できる以外のものも含め多数の資源が必要だが、作れる範囲で「製錬所」を作ってみる。とにかく資源が足りないのだ。
探査日誌 01003.2
同じ頃、地表探索でいくつかの人工物を見つけた。これはバルーンクッション型の降下機のようで、中には銅が入っていた。こういった金属がないため、様々な装置・設備が作れないのだ。また発電装置を見つけたのは思わぬ幸運だった。これで精錬所を稼働させられる。
探査日誌 01003.3
発電装置にバイオ資源をセットし、製錬所を稼働させることに成功。さっそく不足している混合物などをセットしてみるが、まったく反応しない。現状考えられる限りの設置方法を試してみたが、無反応である。
電源が悪いのかと思い、回収したヒドラジンを突っ込もうとしたがやはり出来なかった。普通に考えれば、ヒドラジンはロケット燃料だ。精錬所のバッテリーはバイオ資源で充電できているのだから、こちらが用途を理解できていないと考えるほうが自然だ。
探査日誌 01003.4
資源精錬の試みは失敗に終わった。混合物から別の純物質を抽出できるものと考えていたが、そもそも装置の用途を誤解しているのかもしれない。探査計画をの再考が必要だ。
主恒星が落ちると、その黄道面には変わって煌びやかな星の帯が見える。おそらく地球の天の川と同じで、銀河平面を銀河の内側から見ている情景なのだろうが、ひょっとしたら光は遠方の恒星ではなく、星系内の小惑星帯のものかもしれない。いや、太陽や惑星と同一の軌道を取るという点を考えれば、後者の可能性の方が高いだろう。
これらの輝きにも、手を伸ばすことはできるのだろうか?